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若手起用とダブスタ問題。
森保ジャパンは「興味深いテスト」ができるか (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「ワールドカップや世界を見た時に、またちょっと戦い方が違うんですね。別物といえば別物」という原口元気(ハノーファー)の言葉は、まさに的を得ている。

「対アジア」と「対世界」の、いわゆるダブルスタンダード問題――。

 とりわけ、圧倒的な格下の多い2次予選は、「別物」の印象が強い。2次予選での戦いが戦術面において、ワールドカップに直結することはほとんどない。だから、とにかく勝って早々と最終予選進出を決めたい。そうすれば、試せることも増えるはずなのだ。

 1次予選、2次予選、3次予選と、時代によってラウンドのカテゴリーは違っても、過去の最終予選前のステージでは、意外と興味深いテストが行なわれている。

 最大のヒットだったのは、11年前の2008年6月、南アフリカ・ワールドカップのアジア3次予選を戦っていた岡田ジャパンだろう。ホームで行なわれたオマーン戦で、岡田武史監督は大きな賭けに出る。

 当時は攻撃的なセットと言われた、遠藤保仁と長谷部誠のボランチ起用である。この試合でさっそく絶妙な補完関係を築いたふたりは、その後、数年にわたって不動のコンビとなっていく。

 現行方式と同じ2次予選を戦ったハリルジャパン時代にも、2015年6月から2016年3月にかけて行なわれた予選では、宇佐美貴史、武藤嘉紀、柴崎岳、遠藤航といった、当時はまだ若い「プラチナ世代」をピッチに送り出し、さらに、こちらは成功したとは言えないが、2016年3月のアフガニスタン戦では中盤がダイヤモンドの4-4-2にもトライしている。

 森保ジャパンの場合、それが何なのか――。久保建英(マジョルカ)の積極起用なのか、3-4-2-1の採用なのか、東京五輪世代=U-22日本代表の大量昇格なのか。

 ミャンマー戦の先の話になるが、4年スパンで見た時、単に最終予選進出を決めるだけでなく、最終予選やワールドカップにつながるトライをすべきだろう。そのためにも、まずはミャンマーからしっかり勝ち点3をもぎ取らなければ。

「チームは常に変化するもの、進化するものだと思います」と川島永嗣(ストラスブール)は語ったが、2次予選で戦い方において「対世界」に直結しないぶん、チームと選手たちがいかにタフになり、どう変化・進化していくか、その過程を見届けたい。

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