2019.09.07

冨安健洋と安西幸輝が偉大な
先輩SBとのポジション争いに名乗り

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 現代フットボールで最も重要なポジションのひとつ、サイドバック。日本代表でそこに君臨するのが、長友佑都と酒井宏樹だ。2人とも先のパラグアイとの親善試合でも先発し、前者が118キャップ、後者が57キャップを刻んだ。おそらく現時点でのベストメンバーに入った2人は、共に1アシストずつを記録し、チームの2-0の勝利に貢献している。その存在感は大きかった。

パラグアイ戦の前半はCB、後半は右SBを務めた冨安健洋 ただし、長友はもうすぐ33歳となり、酒井もすでに29歳。3年後のW杯を考慮すれば、少なくとも彼らのクオリティーに迫るくらいのバックアッパーが欲しい。現日本代表の論点のひとつだ。

 その意味で、パラグアイ戦の後半は興味深いものとなった。ハーフタイムに酒井と交代した植田直通は中央に入り、それまでCBを務めていた冨安健洋が右SBに回った。今夏、1年半を過ごしたシント・トロイデンからボローニャへ移籍した20歳のDFは、コッパ・イタリアとセリエAの開幕から右SBでフル出場を続けている。

 ボローニャの指揮官は、かつて強烈な左足のキックを武器にトップレベルのシーンを沸かせたレフトバック兼CBシニシャ・ミハイロビッチだ。元セルビア代表のレジェンドはおそらく、この若き日本代表の攻撃的な資質を見抜き、それをより効果的に発揮できるポジションを任せているのだろう。

「そういう監督と巡り会えたことは、冨安にとってプラスになると思います」と試合後に話したのは主将の吉田麻也だ。「(レアル・マドリードの)セルヒオ・ラモスや(リバプールの)ジョー・ゴメスも SBを経験してCBとして大成した。SBを経験することで、運動量や運動能力が上がっていく。サッカーでスペースがどんどん減っていき、スピードが上がっていくなか、そのスピードに対応できるCBになってくれるといいですね」

 その後、吉田は現代の理想のSB像についても言及した。