黄金世代・石川竜也は
小野伸二のひと言で貴重なゴールを決めた (2ページ目)
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決勝トーナメント進出のために絶対に勝たなければならない試合での一撃は、価値ある先制ゴールになった。その瞬間、石川は、ベンチで喜ぶフィリップ・トルシエ監督のところに走って行き、抱き合った。
「なんでトルシエのところに行ったのか、自分でもわからないんですよ(苦笑)」
石川は困惑した表情で、そう言った。
実は、石川にとってトルシエは「やや苦手な監督」だった。
「トルシエは、練習は細かいし、気持ちを出せとか、とにかく厳しい(苦笑)。あまりにも言われ過ぎて、僕は『うるさい。もう帰るわ』って言ったこともありました。でも、トルシエは戦う気持ちとか自己表現とか日本人が足りないものを見抜いて、引き出すようにやっていた。そのことは自分もわかっていたし、2戦目とこのイングランド戦と自分を使ってくれたのもあって(監督に)行ったのかなぁと......」
石川がトルシエと抱き合って喜んでいる中、ベンチにいたメンバーも大喜びしていた。18名中7人は必然的に控えになる。石川もそうだったが、控え組は腐ることなくチームを支えた。播戸竜二は「イシ君みたいにサブからポンと試合に出て決める。そういう選手がいるチームは強い」と言ったが、このチームの控え組は、途中出場してしっかり自分の仕事をこなしていたのだ。
「18名しかいないし、厳しい環境ではチームがひとつにならないと勝てないと思うんです。イングランド戦では僕がたまたま結果を出したけど、サブ組はみんな出たらやってやるという気持ちだったと思うし、チームが勝つために自分が何をしないといけないのかを考えてやっていた。そういうことが大事だし、そういう選手がサブにいるチームは強いと思います」
石川はチームを盛り上げる播戸や氏家英行らを笑って見ていたが、控え組はひとつにまとまっていた。
控え組ながら、重要な役割を果たしていた石川。photo by Yanagawa GO その控え組のサポートを受けて、チームは決勝まで勝ち上がって行く。石川は決勝に至る中、ポイントとなった試合としてポルトガル戦を挙げた。
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