2019.06.17

トルシエが怒って教えたフラット3。
中田浩二はスプーンの動きを反復

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

世界2位の快挙から20年……
今だから語る「黄金世代」の実態
第9回:中田浩二(1)

「国際大会の初戦に負けて、これはやれるな、イケるなって、あそこまでポジティブになれたことはなかったですね」

 1999年のFIFAワールドユース(現在のU-20W杯)・ナイジェリア大会の初戦、カメルーンに1−2で逆転負けを喫した試合を振り返って、中田浩二はそう語った。

1999年のワールドユースについて語る中田浩二

 中田はその後、00年シドニー五輪、02年W杯日韓大会、04年アジアカップ、06年W杯ドイツ大会を経験している。どの大会も初戦の結果が、その後の戦いに大きく影響した。とりわけドイツW杯では、初戦のオーストラリア戦に逆転負けを喫したことが影響し、1勝もできずにグループリーグで敗退した。

 だが、この時のカメルーン戦では、負けてもなおポジティブでいられた。それはどういう理由からだったのだろう。

「負けたけど、引きずるような負け方じゃなかったんです。戦術的にやられたというよりも、(身体能力の高い)アフリカ人がゴリゴリ来るところで個人がミスしてやられただけ。たしかに普通は初戦に負けるとバタバタしてしまうんですけど、みんな自信を持っていたし、妙な落ち着きがあった。負けたけど、ある程度主導権を握って戦うことができたので、この先も行けるんじゃないかって思えたんです」

 それが確信になり、自信になったのがつづくアメリカ戦だった。グループリーグを突破するために絶対に負けられない試合に3−1で勝ち、チーム全体として戦える手応えを感じたという。

「カメルーンに負けたけど、手応えをつかめそうなところでアメリカに勝ったのはすごく自信になりました」

 さらに次のイングランド戦には2−0で完封勝ちした。最終ラインに入った中田にとっては、これも確かな手応えとなるゲームになった。