2019.04.30

競争激化の日本代表の中盤。福田正博がハッパをかけたいMFは?

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■森保一監督が就任して以来、多くの選手が招集され、中盤のポジション争いもさらに活性化してきている。その中盤のキープレーヤーについて、元日本代表の福田正博氏が分析した。森保ジャパンのかじ取り役は誰になるのか?

 3月のコロンビア、ボリビアとの親善試合で山口蛍(ヴィッセル神戸)が日本代表に復帰した。山口は、森保一監督の初陣となった昨年9月の親善試合に当初は招集されていたが、ケガのために不参加。8カ月遅れで日本代表に加わった。

 ロンドン五輪、W杯ブラジル大会、W杯ロシア大会を経験した山口は、まだ28歳。老け込むには早く、若手が増えている日本代表のなかで、彼の積んできた豊富な経験を取り込みたい狙いも森保監督にはあったのだと思う。そして、ここから代表のセントラルMFのポジションは競争がいっそう激しくなっていくだろう。

 このポジションについて、森保監督が現時点で中心と考えているのが柴崎岳のようだ。W杯ロシア大会の全試合に先発出場した26歳は、森保体制で2度目の合宿で新体制に初選出されると、そこからすべて招集されてきた。W杯ロシア大会とアジアカップの両大会で代表入りした選手のうち、3月の親善試合にも招集されたのは柴崎のみ。所属するヘタフェで出場機会に恵まれていない状況でも招集していることから、森保監督の期待の大きさがわかる。

森保ジャパンで中盤のカギを握る柴崎岳 柴崎は3月の親善試合ではコロンビア戦に先発出場、ボリビア戦には途中から起用され、彼がピッチに立つと日本代表の攻撃は縦パスが入るようになり、活性化した。ただ、私も柴崎の能力の高さを買っているだけに、あえて要望したいことがある。

 柴崎の特長は、パスを出すときに必ず縦パスを狙っているところだ。縦パスはDFにカットされる確率も高いが、通ればチャンスに直結する。しかし、日本サッカーはボールを奪われないことを重視しがちなため、縦パスを入れるのを怖がって相手守備網の外側でボールを回すだけになってしまう傾向もある。そうしたとき、相手守備陣が嫌がる縦パスを入れる技術と戦術眼を持った柴崎は貴重な存在だ。

 だが、柴崎にも課題はある。動きがピッチの左右ばかりで、自らが相手ゴールに向かう「縦への動き」をもっと増やしてほしい。中盤の低い位置で相手のプレッシャーから逃れるように左右に開きながらボールを受けて長短のパスを出す。もちろん、キック精度が高くなければできないものなのだが、日進月歩のサッカー界にあっては、ややクラシックなスタイルに見えてしまう。