U-20日本代表のエースが久保建英に対抗心。「そこは俺でしょ」 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, AFLO

―― シーズンが開幕して1カ月少し経ちました。ここまでの手応えは?

田川 そんなに悪いイメージはないですよ。でも、途中から出場する難しさは感じますね。謙佑くんがやっているような、守備でボールを追いかけてチームを助ける部分は絶対的に足りていないと思うし。ただ、チームのスタイルは自分に合っていると思うので、徐々によくなっていくと思います。

―― 先ほど話に出た久保選手は今シーズン、右サイドハーフのレギュラーとして出場しています。U-22日本代表のミャンマー遠征後の第5節・浦和レッズ戦ではベンチスタートでしたが、勝負どころで永井選手に代わって出場して活躍しました。そういう姿を見てすごいと感じる? それとも悔しい?

田川 どっちも、ですね。やっぱり、素直にうまいと思えるいい選手だから、すごいなって思うんですけど、「そのポジションだったら、俺でしょ」って思う気持ちも、もちろんあって......。やっぱり、悔しいですよね。

―― 今まで右サイドで出ていた久保選手が、永井選手に代わって2トップに入る。心中穏やかではなかったのでは?

田川 正直、「なんで?」っていう気持ちはありましたけど、それが今の現実なので。監督から信頼されているから、タケは今、スタメンで出ているわけで、その信頼の差は大きいと思いますね。下から上がっていくほうが精神的に鍛えられると思うので、そこまでマイナスには考えていません。

―― ポジティブなほうなんですか。

田川 どうですかね。落ち込みはしますけど、チャンスだとも思います。

―― チャンス?

田川 悔しいと思ったほうが次の日の練習でがんばれるというか、このままじゃダメだって練習に身が入るので、悔しいと感じることは決して悪いことじゃないと思っています。

―― そうした考えは小さい頃から? それともプロになってから?

田川 プロになってからですね。ユース(鳥栖U-18)までは試合に出られないことがなかったので。プロになってサブに回るようになってからです。

―― 先輩や指導者の方から学んだんですか?

田川 いや、もう全部、自分で考えて、です。自分が悔しいと感じて、必死に練習するようになりました。

(後編に続く)

【profile】
田川亨介(たがわ・きょうすけ)
1999年2月11日生まれ、長崎県諫早市出身。サガン鳥栖の下部組織出身で、2017年にトップチームに昇格。同年、U-20日本代表に飛び級で選出される。2019年、FC東京に移籍。ポジション=FW。181cm、70kg。

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