スペインの知将がアジア杯の日本選手を個別評価。「輝いたのは酒井」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 サウジアラビア戦は、チームが守りを固めるなか、最後まで集中を切らしていない。ベトナム戦では同サイドの原口と息の合うプレーを見せた。後半、オフサイドの判定を受けたものの、すばらしい攻め上がりもあった。イラン戦は時間、展開ごとに適切に落ち着いてプレーしており、後半には左サイドで効果的に深みを作っている。

 しかし、カタール戦はコンビネーションに苦しみ、攻め上がりも少なく、持ち味を出せなかった。

ウズベキスタン戦に先発、イラン戦は後半28分から出場した室屋成ウズベキスタン戦に先発、イラン戦は後半28分から出場した室屋成室屋成(FC東京)

 ウズベキスタン戦で右サイドからの攻撃を活性化させていた。伊東純也とのコンビネーションは悪くなかった。技術精度の低いプレーはあったが、武藤嘉紀に送ったクロスは抜群だった。

 ノックアウトステージのイラン戦は酒井に変わって途中出場。右サイドを積極的に駆け上がったが、クロスの精度は乏しく、大きく流れている。

ウズベキスタン戦にフル出場した佐々木翔ウズベキスタン戦にフル出場した佐々木翔佐々木翔(サンフレッチェ広島)

 ウズベキスタン戦に先発したが、相手の強力な攻撃に対して後手に回ることが多かった。失点シーンでも背後を取られている。

6試合にフル出場した吉田麻也6試合にフル出場した吉田麻也吉田麻也(サウサンプトン)

 トルクメニスタン戦では、2点目となる原口へのロングパスなど、好プレーもあった。しかし、2失点目のPKにつながる局面では、槙野智章とのポジションが離れすぎ、中央のスペースを与えて独走を許している。全体的に前への意識が強すぎた。オマーン戦は及第点のプレーだった。ビルドアップでは矢印を変えながら、空中戦では強靱さを見せ、高い集中力で守備の対応をしていた。

 ノックアウトステージでは、堅牢さを見せていた。サウジアラビア戦では前半に見事なブロックを見せ、決勝点となるCKでは、冨安健洋との連係で貢献した。ベトナム戦の前半、自陣でのバックパスを奪われたシーンは目を覆ったが、センターバックとしての守りは及第点。VAR判定で取り消されたゴールについて、ハンドは不可避だったようにも見えた。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る