2019.02.08

スペインの慧眼がアジア杯の日本に
及第点。「問題はセットプレー」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

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「日本が序盤に喫した2失点は、どちらも守備の強度が足りていなかった。他にも、簡単にインサイドへのパスを通させてしまっている。後半はプレーが改善されたが……」

 スペインの慧眼、ミケル・エチャリ(72歳)はアジアカップ決勝、日本がカタールに1-3で敗れた試合をそう振り返っている。

 エチャリは80年代、エイバルを監督として率い、5バックを使いこなして戦っている。当時、日の出の勢いだったデポルティボ・ラ・コルーニャと引き分ける”金星”を挙げた。戦術家として、”フットボールの回路”を知り尽くしている。

 エチャリは、カタールの堅守に苦しみ、その効果的な攻撃に沈んだ日本をどのように見たのか?

アジア杯決勝カタール戦で、就任以来初の黒星となった森保一監督「日本はこれまでと同じように、4-4-2を採用。ボランチの遠藤航(シント・トロイデン)が欠場し、塩谷司(アルアイン)が入った。遠藤はケガのようだが、重要なポイントだったと言えるかもしれない。

 これに対してカタールは5-3-2の布陣。自陣にリトリートし、5バック、プラス3人のMFで中央を固めている。俊敏な反応、機敏なスライドによってよく守り、ボールを奪い返し、カウンターを狙う戦術だ。特筆すべきは2トップで、いやらしく日本の攻撃を限定し、コースを消していた。

 一方、自分たちが望むようなビルドアップができない日本は、中央から無理なパスを狙い、敵の術中にはまってしまう。時間とともに攻撃に対する焦りは強くなっていった。たとえば、堂安律(フローニンゲン)は”ボールに足がついていない”状態だったにもかかわらず、最短距離でのゴールを狙い、中に突っ込んでいた。サイドバックとの連係を駆使し、サイドで幅を作ってから、インサイドへボールを入れるべきだった。