アジア最強のイランにも穴はある。大迫勇也の復帰で2列目は輝くか (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 もっとも警戒すべきは、センターフォワードの20番サルダル・アズムンだ。ドリブル突破と高い決定力を併せ持ち、ひとりで決定的なシーンを作り出してしまう。

 だが、怖いのはアズムンだけではない。右ウイングの18番アリレザ・ジャハンバフシュは昨シーズンのオランダリーグの得点王で、どこからでもゴールを狙え、総合力の高いオールラウンダーのアタッカーだ。

 左ウイングで今大会3ゴールのメフディ・タレミは出場停止だが、代わりに出てくる選手も一級品。スーパーサブとして起用されてきた14番のサマン・ゴドスは飛び出しに長けたアタッカーで、10番のカリム・アンサリファルドも得点力を備えている。

 さらに、インサイドハーフの11番ヴァヒド・アミリは左利きのプレーメーカーで、流動的に動く攻撃陣の潤滑油になる存在。同じくインサイドハーフでキャプテンの21番アシュカン・デジャガはゲームメイク力に優れ、自らドリブルで運んだり、フィニッシュまで持ち込む"イランの心臓"だ。つまりは、タレント揃いなのだ。

 果たして、日本に勝算はないのか。いや、そんなことはないだろう。

「(イランの)失点はゼロですけど、決定機を作られている場面もあるし、穴はゼロではないと思うので、しっかり分析して、そこを突いていきたいと思います」と柴崎岳(ヘタフェ)は、きっぱりと言った。その数少ない穴が、アンカーのオミド・エブラヒミの脇のスペースや、敏捷性に欠けるセンターバックの裏のスペースだろう。また、オマーン戦、中国戦ともに、前半の早い時間帯に決定的なピンチを招いてもいる。日本としては、その試合への入り方の甘さを突きたい。

「積極的に行くと思います」と原口元気(ハノーファー)は、前からプレスを仕掛けていくことを示唆したが、ビルドアップの際にイランは、エブラヒミやデジャガがディフェンスラインに落ちて3バックを形成する。そこにどう圧力をかけるのかにも注目したい。

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