アジアカップ苦戦の要因を整理。森保Jが修正すべきポイントは? (2ページ目)
圧倒的にボールを支配したのは、予想どおり実力で上回る日本。序盤から相手陣内に押し込みつつ、森保ジャパンの調子のバロメーターとなる縦パスを積極的に入れようと試みる。とくに攻撃のスイッチを入れるパスを供給していたのが、前半だけで10本以上の縦パスを試みたボランチの柴崎岳(ヘタフェ)だった。
ところが、両ウイングの堂安と原口元気(ハノーファー)がいつものように内に入って中間ポジションをとるものの、相手が5バックだったため、そこにパスを受けるスペースは見つからない。無理をして縦パスを入れても、それを狙う相手ディフェンスにインターセプトされ、パスがつながったとしても、5バックと2列目4枚がコンパクトな陣形を保っているため、パスの受け手がすぐに囲まれ、ボールロストするシーンが目立った。
さらに、負傷により別メニュー調整を続け、無理を押して出場した大迫勇也(ブレーメン)がいつものようにボールを収められなかったことも、前半の日本の攻撃を滞らせてしまった要因のひとつとなった。大迫のポストプレーは縦パスを多用する森保ジャパンの生命線だ。その肝の部分が定まらなければ、その後の連携プレーから中央突破を図ることは困難になる。
また、その大迫に限らず、慣れないピッチと相手のプレッシャーに苦しみ、レシーバーの南野や堂安がボールを失うシーンも少なくなかった。これについては試合を重ねるなかで修正されるだろうが、少なくともこの試合の前半は、効果的な縦パスからチャンスを作ることができずに終わっている。
逆に、日本が作った前半唯一の決定機と言えるチャンスは前半30分、左サイドから長友佑都(ガラタサライ)がアーリークロスを入れ、堂安が競り合った後のボールを大迫が左足で振り抜いたシーンだった。
長友は、それ以外にも22分にクロスを入れて堂安のヘディングシュートにつなげるなど、前半だけで4本のクロスを供給。一方、右サイドからは38分に堂安が左足でクロスを入れて、南野が反転しながらダイレクトでシュートしたシーンのみだった。
そんななか、前半はトルクメニスタンのもうひとつの狙い、すなわちボールを奪った後のロングカウンターも何度か効果を発揮した。
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