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ベレーザが4連覇達成。
優勝したのに選手の自己評価は「20点」だった (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 この日、左サイドバックに入った宮川麻都は、なるべく高い位置を取るように意識をしていたし、後半には最前線の真ん中で長谷川からのパスを受け、フィニッシャーにもなっていた。当然、サイドハーフとの連係も重要だが、宮川が侵入するスペースを作り出す意識を全員が持っていなければ、最前線まで上がり切ることは不可能だろう。

「あえて相手の強度の高いところ(中央)を割っていくというのが今日のテーマでもあった。ゴールへの最短距離を要求してしまい、(納得できる時間帯が多くなかったのは)僕の行き過ぎた要求が引き起こした」とベレーザの永田雅人監督はこの試合を振り返った。

 確かに、長野も奪いどころと位置づけていたフィニッシャーのところだけではなく、後半にそのポイントをサイドにも置いたことで、本来はボールを回して相手を動かしながら、間を割っていくベレーザのリズムはなかなか生まれなかった。しかし、それ以上に選手たちが問題視したのは自分たちの"試合中の判断"だった。

「今までできていたことが、(この試合で)できなかったことが悔しい」と苦い表情を見せたのは長谷川。これまで、新しい課題に取り込んでもマイナスに感じる試合はなかったという。試合は、相手の動きひとつでプランを練り直さなければならない場面の連続だ。その都度、ピッチ内でそれぞれが判断しなければ成り立たないサッカーなだけに、わずかなズレが命取りとなる。ピッチの中でしかわからないことは選手たちで判断する。そこがコントロールできれば、おのずと流れはやってくる。それこそベレーザの目指すサッカーだ。勝利はしたものの「20点」と長谷川の自己評価は厳しかった。

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