中村俊輔の後継者が代表デビュー。天野純は「爪痕」を残せたのか

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi photo by Fujita Masato

 中村俊輔の後継者──。

 横浜F・マリノスに所属する左利きのテクニシャン、天野純はそのプレースタイルと特徴、出自から、そんな風に評されることもある。11日のコスタリカ戦で彼は27歳にして代表初キャップを刻んだ。

コスタリカ戦の後半、ピッチに投入された天野コスタリカ戦の後半、ピッチに投入された天野 出番は後半30分に訪れた。中島翔哉(ポルティモネンセ)と交代でピッチに入り、トップ下を任されると、浮き玉のワンツーや惜しいクロス、得意のセットプレーなど、積極的なパフォーマンスを披露。シュートこそ記録できなかったが、ボックスのなかでラストパスを待つなど、普段のクラブではあまり見せないような姿もあった。

「次はないと思っていたので、なにか爪痕を残さなければと。得点も欲しくて、なるべくゴールに近い位置でプレーしようと思っていました。(85分のフリーキックは三浦)弦太(ガンバ大坂)にあそこに入ってほしいと言っていて、ちょうど狙いどおりのところに落ちた。惜しかったですね」

 試合後に取材エリアに現れた天野はそう話した。いつもより少し上気した表情に、充足感が透けて見える。

「(代表のデビュー戦を)経験して、代表の主力としてやりたい気持ちが強くなりました。今日は途中から入って、勝っている試合をしっかりクローズするというミッションもあったけど、そのなかでもある程度は自分のプレーを出せたかなと。時間があればもっとやれたと思うし、そういう意味ではちょっと悔しさもある。でもたくさん刺激を受けて、練習でしっかりアピールもできたし、充実した日々でした」

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