武器は「何をするのかわからない」。堂安律がヒデや本田の系譜を継ぐ

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「めちゃくちゃ楽しかった」

 MF堂安律(フローニンゲン/オランダ)は、85分間のプレーを笑顔でそう振り返った。

 森保一監督が新たな指揮官となった日本代表の初陣、堂安にとっても代表初キャップとなるコスタリカ戦で、右サイドハーフでスタメン出場。ゴールこそなかったものの、ピッチ上で躍動し、3-0の勝利に貢献した。その姿に、古巣ガンバ大阪のホームスタジアムのスタンドを埋めたファンやサポーターも大いに沸いた。

 日本代表の"シンボル"となる選手たち――中田英寿、中村俊輔、本田圭佑......らは、チームに大きな影響を与える選手たちだ。新生・日本代表では誰がその"キング"の座に就くのか。チームのスタイルや方向性と同様に、大きな注目を集めていた。

 堂安は、その有力候補のひとりだった。

 ただ、そういう存在になるには、まずはプレーにおいて強烈なインパクトを残し、結果を出すことが求められる。コスタリカ戦は、堂安にその資質があるか否か、それを見極める最初の試合でもあった。

 それは"ポスト本田"ということではなく、あくまでも堂安が、歴代の"エース"のような圧倒的な存在感を示せる選手なのか、それだけのポテンシャルを秘めているのか、ということである。

 結論を先に言えば、「イエス」だ。

 堂安は、中田英寿でも、中村俊輔でも、本田圭佑でもなく、"堂安律の世界"をピッチ上で築いていた。そして今後、チームの中心になっていくだろう、というプレーを見せた。

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