武器は「何をするのかわからない」。
堂安律がヒデや本田の系譜を継ぐ (4ページ目)
それでも、今回は決定的なチャンスを決め切れなかった。そこで、ロシアW杯のレギュラー組の招集が想定されている10月の代表戦でも、今回と同じようなアピールができるのか。また、コスタリカより強い相手を敵に回してもそれができるのか、といった疑問は残る。
そういう意味ではまだまだ未知数な部分もあるが、「緊張した」という初の代表戦において、成長の跡をきちんと示したことは、そのプレーが身についているということである。ガンバ時代より、スプリント回数も増え、スピードも明らかに増していた。代表というチームに慣れ、周囲とのコンビネーションが高まってくれば、パフォーマンスが一段と上がっていくことは間違いないだろう。
それに、これが一番大事なことなのだが、堂安は試合を楽しんでいた。
「試合を見ている方はどう思っているのかわからないですけど、ロッカールームでは(選手の)みんなから『めちゃくちゃ楽しそうにプレーしていたね』って言われて。実際、自分もラスト20分ぐらいはゾーンに入るような感覚でプレーできていて、視野も広くて、相手をおちょくるというか、いなすようなプレーができていました。85分まで使ってもらえるとは思っていなかったですけど、ほんと楽しかったです」
中島もそうだが、"遊び心"のあるプレーは見ている人を楽しませる。堂安がボールを持つと、スタジアムがドッと盛り上がるが、それは「何をするのかわからない」「ワクワクするプレーを見せてくれる」という期待感があるからだ。
あとはそこに、確かな決定力が備わってくれば、中村と本田をミックスしたような"スタイル"で、日本代表の新しい"キング"になっていくような気がする。
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