新生・日本代表で強化すべきは、金子翔太らリオと東京の「間の世代」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

新生・森保ジャパンにオススメの選手(4)
MF金子翔太(清水エスパルス)

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 ロシアW杯前、日本代表の平均年齢の高さが話題になった。当然、サッカーに年齢は関係ないと、前向きに受け止める見方もあった。だが、20代前半の若手が次々に選外になる一方で、30代のベテランが軒並み選出されたことを、やはり不安視する声は少なくなかった。

 結果的に、日本が望外のベスト16進出を果たし、しかも、最後はベルギーと激闘を繰り広げたことで、「オッサン軍団が世間の評価を見返した」的な話もしばしば見聞きする。反骨のストーリーとしては面白いのだろうが、どうも論点がズレているように感じてしまう。

 本来、平均年齢の高さから危惧すべき問題は、目の前の大会で結果が出るかどうかよりも、次の大会につながるかどうか、のほうが大きかったからだ。

 その意味で言えば、ロシアで得た収穫は少なかった。

 今回のW杯の選手選考では、まずは26人を選び、そこから3人を削るという段階を踏んだ。最終的に落とされたのは、MF井手口陽介(リーズ/イングランド)、MF三竿健斗(鹿島アントラーズ)、FW浅野拓磨(ハノーファー/ドイツ)と、年齢順に下から3人。結局、リオ世代(リオデジャネイロ五輪に出場した1993年以降生まれ)の選手は、DF遠藤航(シント=トロイデン/ベルギー)らがメンバー入りこそしたものの、出場機会はなかった。

 本番で試合出場した選手のなかでは、DF昌司源(鹿島アントラーズ)、MF柴崎岳(ヘタフェ/スペイン)らの1992年生まれが最年少。つまり、次回W杯を30歳になる年で迎える選手たちということになる。一般論で言えば、ピークを過ぎ、下降線をたどり始めていても不思議はない年齢である。これは、かなり危うい状況だ。

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