ベトナムに敗れたU-21森保ジャパン。
ポゼッション重視が裏目に出た
アジア大会の男子サッカーは、グループリーグ第3戦が行なわれ、日本はベトナムに0-1で敗れた。
何とも、あっけない負け方だった。
立ち上がり、じっくりとボールを動かして攻撃を組み立てたい日本は、自陣でGKオビ・パウエルオビンナ(流通経済大)がMF神谷優太(愛媛FC)へパス。何でもないプレーだったが、神谷がトラップミスして、はじいたボールを相手に拾われ、楽々とゴールに流し込まれた。試合開始からわずか3分のことだ。
「失点の仕方が崩されてのものではなかったので、チーム的にもどよ~んとした雰囲気があった。あの時点で、もう少し自信を持ってできればよかった」
DF初瀬亮(ガンバ大阪)はそう言って悔やんだが、日本の選手たちは失点をきっかけに明らかに浮足立ち、ベトナムが高い位置から仕掛けてくるプレスに対し、余裕を失った。恐る恐る"逃げのパス"をつなごうとするばかりでは、相手の思うつぼだった。DF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)が振り返る。
「(先制して勢いづく)相手のエネルギーをかなり感じたし、1点取れば同点なのに、(点差以上に)"負けている感"が出てしまった」
加えて、ボールを奪い合う局面、いわゆる球際の勝負で、日本はことごとく負け続けた。「(互いが同じフォーメーションのため、1対1の局面が多くなる)ミラーゲームなのに、強くボールへいけなかった。個のところで、はがされることが多かった」とは、杉岡だ。
中盤でボールを失っては、相手にテンポよくパスをつながれ、次々にゴール前まで攻め込まれる。追加点こそ奪われなかったが、前半の日本はダウン寸前だった。
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