アジア大会初戦は格下に辛勝。
A代表兼任・森保一監督の気になる采配 (2ページ目)
「正直、兼任になって"初戦"という意識はなかった。アジア大会に臨むU-21代表の監督として、この大会に最善の準備をして臨むということで、今回インドネシアにも来ている」
そう語る森保監督からは、特別な意識の変化は感じられない。指揮官は「ただ、兼任でA代表と東京五輪世代の監督をやっているので、まずこの大会を最高の大会にできるようにすることと、次につなげることを当然考えていかなければいけない」とも話しているが、それはA代表との兼任とは無関係に、五輪代表監督なら誰もが当たり前に考えることである。
「選手にも話しているとおり、まずは目の前のことをしっかりとやりつつ、前進していきたい」
それが、五輪代表監督としての本音だろう。
とはいえ、周囲の見る目は、これまでの五輪代表や五輪代表監督に対するものとは、間違いなく変わる。たとえ五輪代表の試合であろうと、その結果や内容が、A代表監督としての森保監督の評価にも直結しかねない。
それを考えれば、兼任後の初陣となる今回のアジア大会は、単に東京五輪への強化の一環というレベルを超え、新たに選ばれたA代表監督が信任を得られるかどうかの重要な大会になったとも言える。
さて、こうした前提を踏まえて、大会初戦のネパール戦を振り返ろう。
日本は立ち上がりから圧倒的にボールを支配し、攻撃し続ける展開のなか、開始7分にしてMF三苫薫(筑波大)のゴールで先制した。
日本の大量得点を予感させた試合は、しかし、その後はあっけなく停滞。実質6バック+3ボランチで守りを固めるネパールに対し、日本は有効な攻撃を繰り出せなかった。
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