ベルギー戦は最高のメインディッシュ。
勝敗とは別の「うまさ」があった (4ページ目)
中山 なかったですね。あったのはポーランド戦の終盤のシーンで長谷部を投入した時だけだと思います。あれが唯一、試合中に監督の意志によって戦い方を変更したシーンで、それ以外は、選手からも「監督がこう言ったから」というようなコメントは出てきませんでした。
たとえば、セネガル戦後の「意外と縦パスが入るから、今までは引き気味だったけど、もう少し前から行こう」とハーフタイムに選手間で話していたという吉田のコメントからも、それが読み取れました。
小澤 今大会ではタブレットの使用が認められていて、記者席からアナリスト(分析担当)がベンチに指示を送れたのですが、日本は2カ月前に緊急就任した監督とスタッフなので、そこまでできなかったのでしょうね。
倉敷 今回認められていた通信機器の使用は日本では話題になっていないのですが、現地ではいかがですか?
中山 それが、こちらでもほとんど話題になっていないんです。ただ、やはり各ゲームを取材している中で感じるのが、今大会は試合中にシステム変更するチームが多いということです。それがタブレット使用許可の影響なのか、もともと準備していたのかは分かりませんが、これから大会を総括する時にその手の話題が出てくることを期待したいですね。
倉敷 では、後半に話題を移します。立ち上がり早々、日本は48分と52分に立て続けに美しい得点を奪います。小澤さん、この時間帯の印象をお願いします。
小澤 先制ゴールは乾の守備からスタートしています。ただ、ベルギーはケビン・デブライネとアクセル・ヴィツェルのところは守備面で緩さがあったので、柴崎岳の横パスに対してもそれほど食いついてこなかったことがひとつあると思います。なので、あそこは日本も狙っていたので、原口を走らせることができたのではないでしょうか。
それと、原口のシュートが素晴らしかった。あの場面で、あのボールスピードのままシュートを打っていたら、おそらく角度もなかったので決まってないと思いますけど、意図的に1度スピードを落として、駆け引きしてから打ったあたりはさすがだなと思います。
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