2018.07.17

福田正博が提言!
「次のW杯に向けて日本が実施すべき強化策」

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by JMPA

福田正博 フォーメーション進化論

 W杯ロシア大会で、日本代表は限りなくベスト8に近づいた。ベスト16になった過去の2大会、2002年の日韓大会、2010年の南アフリカ大会とは異なり、今回は主力選手を温存してグループリーグ最終戦を戦ったことで、決勝トーナメント1回戦のベルギー戦は、最高のパフォーマンスだった。それだけに、敗因をしっかりと見つめ直して、今後のW杯で今回以上の成績を残せるように、検証しなくてはいけない。

ロシアW杯で日本は決勝トーナメントに進出するも、ベルギーに逆転負けした ベルギー戦は原口元気、乾貴士のゴールで2点を先行した直後に、ベルギーが187cmのナセル・シャドリ、194cmのマルアン・フェライニを投入。親善試合では決して見ることのできない「強豪国の本気のパワープレー」に襲われた。190cmのFWロメル・ルカクを吉田麻也がマークしていたが、170cmの長友佑都のサイドに投入されたフェライニの高さを防げなかったことが失点につながってしまった。

 3失点目については、延長戦を睨んでショートコーナーで時間を費やす手もあった。だが、仮に延長戦に持ち込んでいても、ベルギーのパワープレーに耐えきれたとは思えないだけに、CKからの最後のワンチャンスに賭けた気持ちは理解できる。

 今回のベルギーには、身長190cm台の選手が7人ピッチにいた。そんな相手に対して、「コーナーキックやフリーキックなどを相手に与えなければいい」という意見もある。しかし、実際にはそれは不可能に近い。ベルギーほどの技術力とスピード、パワーを兼ね備えた相手に対して、ボールポゼッションを高めて押し込み続ける力は、残念ながら日本代表にはまだない。

 それだけに、日本代表が2022年や2026年のW杯でベスト8を現実のものにするためにも、強豪国のパワープレーに対しての有効な解決策を確立することは、最重要課題になる。

 現実的な解決策としては、日本代表のCBが、欧州トップリーグでスタメンを獲得できるレベルに達することを目標に、育成をしていくしかない。吉田は世界最高峰のプレミアリーグで揉まれたことで、高さと強さを併せ持つ選手になった。スピードにやや難はあるものの、最後のところで弾き返す力を備えている。だが、吉田以外の日本人CBで、彼の域に達している選手はまだいない。

 空中戦で競り勝てなくても、相手に体を寄せながら自由にプレーさせないようにしてピンチを防いでいく。身長180cm台でフィジカル強度と足元の技術を備えている植田直通や岩波拓也のような若い選手たちが、ここからどこまでレベルを高めていけるかに、今後の日本代表の守備の将来がかかっている。

 ただ、それができたとしても、抜本的な解決にはならない。190cm以上の相手とのゴール前での空中戦に競り勝つには、やはり190cm台の長身選手が必要になってくる。日本サッカー界では180cm台は高身長とされているが、日本のスポーツ界全体を見渡せば190cm台の選手も多くいる。