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初動のミスはケガのもとになる。
杉山氏が代表監督選びに警鐘を鳴らす (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki高橋学●写真 photo by Takahashi Manabu

 間違えてはいけないのは、協会が、従来路線との訣別を図ろうとの意図に基づいてハリルホジッチを招いたのではないということだ。従来路線の監督だと思って招いたら、まったく違った。これが正しい。見込み違い。見当違い。あってはならないミスを協会は犯したのだ。

 ハリルホジッチが来日したのは2015年3月で、解任されたのは2018年3月。見込み違いの監督に、3年間も代表チームの指揮を執らせたことも大問題だ。その結果、技術委員長だった西野さんが新監督に就任。このとき協会には選択の余地がなかった。W杯本大会まで2カ月あまり。他の候補者を探している時間がなかった。

 代えないより、代えたほうがいい。筆者は究極の選択として監督交代を促したが、ハリルホジッチよりはマシだろうという程度の期待値に過ぎなかった。そのとき、西野さんがどんなサッカーをするか、想像できた人はいなかったに等しいと思う。その就任記者会見を聞いて、不安にならなかった人はいなかったはずだ。

 何の確証もないまま代表監督に就任した世にも珍しい監督。それが西野さんの実像だ。それとロシアW杯で収めた成績にどんな関係があるのか。西野さんは、退任するのであれば、サランスク、エカテリンブルグ、ボルゴグラード、そしてロストフナドヌーで見せたサッカーと、それに至る経緯について、まず、詳(つまび)らかに説明する必要がある。元技術委員長として。

 あのサッカーは何だったのか。何がよくて、何が足りなかったのか。そこのところを簡単に済ませ、先を急いではダメだ。

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