スペインの知将が西野采配に苦言。「3人の選手は効果的でなかった」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

「日本の中盤の不安定さは目を覆うばかりで、後半はカウンターの危機を迎えている。川島が好判断で前に出て、事前に防いだが、チームとしてのプレーは破綻していたに近い。

 山口を責めるのは酷だが、ビルドアップでもプレー判断が遅すぎた。結果、何度もボールを失っている。そして背後を突かれ続け、不必要なファウルでFKを与えてしまった。

 59分、クルザワが蹴ったFKに対し、ゴール前でヤン・ベドナレクをフリーにしてしまった。酒井高徳と大迫勇也は棒立ち。必然の失点だった。

 その後も、山口は気持ちばかりが急ぎ、ボールホルダーに食いついては餌食にされている。柴崎岳との距離が遠すぎたり、近すぎたりで、コンビという感覚が見えなかった。セネガル戦とは一転、中盤が火薬庫になっていた。

 その混乱がチーム全体を覆う。終盤、カウンターから長友佑都が背後を取られ、グロシツキからレバンドフスキに絶好のクロスが入っている。吉田麻也は一歩遅れ、失点してもおかしくないシーンだったが、レバンドフスキのシュートはバーの上に外れた。日本はプレーのバランスを著しく欠いていた」

 エチャリはそう嘆いた。しかし日本は82分に長谷部を投入し、4-1-4-1にしたことで、チームは落ち着きを取り戻したという。

「長谷部はバックラインと中盤の間にポジションを取り、味方に落ち着きを与えている。ポーランドもリスクをかけたくない様子で、試合は膠着(こうちゃく)した。ベンチはコロンビア対セネガルの状況を知っていて、スコアをキープする選択を取ったのだろう」

 日本は0-1で敗れたが、ベスト16に勝ち進んだ。ベルギー戦に向けて、エチャリは試合をこう総括している。

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