西野ジャパン、見るに堪えない壮行試合に「かすかな光」を探すと... (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹、スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sano Miki,Sueishi Naoyoshi

 3-4-2-1では本来、前線の3人、いわゆる1トップ2シャドーが攻撃のキモになる。しかし、ガーナ戦を見る限り、3人が3人とも次の狙いを持たずに足もとでボールを欲しがるばかり。当然、連動性は皆無だった。彼らがピッチ中央に深さとギャップを作り出すことで、サイド攻撃もさらに効力を増すはずだが、むしろ中央が足を引っ張っていた。

 そもそも1トップ2シャドーの人選からして、どれだけ連動性を期待していたのか疑わしい。自分がやってやるという気概はあっぱれだが、"王様気質"はときに組織的な戦いの足かせになる。

 最終ラインにしても、長谷部を3バックの中央に置くメリットはまったく感じられなかった。ビルドアップが円滑になるわけでもなく、ただ守備面での危うさを増加させるばかりだった。

 吉田が険しい表情で語る。

「10月から1試合も勝っていない。そこを理解して、内容もそうだが、まずは戦うところからやらないと。相手(ガーナ)はワールドカップに出られないチームで、レギュラーもいなくて、17人しか来ていなかった。恥ずべき試合だった」

 ガーナ戦からポジティブな要素を見つけるとするなら、もうこれ以上悪くなることはない、ということくらいだろうか。

 いや、わずかながら光明はある。MF大島僚太だ。

大島僚太が停滞するチームの「救世主」となるか大島僚太が停滞するチームの「救世主」となるか

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