2018.06.01

W杯メンバー23名に思う。強豪国から、
ボールは誰がどこで奪うのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 西野ジャパン。発表された23人の平均年齢は28.3歳で、2014年ブラジルW杯に当てはめると、32チームの中2番目の高齢チームになる(1番は28.5歳のアルゼンチン。ザックジャパンは26.7歳で18番目)。

 W杯に出場した歴代日本代表に照らしても、2010年南アフリカW杯に臨んだ岡田ジャパン(27.8歳)を上回る過去最高齢の集団だ。30歳以上の選手の数計8人も過去最多。日本代表の今後を考えれば、これは危ない話だ。西野朗監督は経験値を欲したと言うが、この判断により、次回の23人が、経験値の低い集団となることが確定してしまった。

 それは今回、"勝つしかなくなった"ことを意味する。結果が出なければ救いはない。逃げ道はない。自ら退路を断った格好だ。前回の最高齢チーム、アルゼンチンは準優勝を飾って何とか面目を保ったが、ロシアW杯の予選では案の定、大苦戦を強いられている。

ロシアW杯メンバーを発表する(左から)関塚隆技術委員長、西野朗監督、田嶋幸三会長 発表の会見で、西野監督の傍らにいた関塚隆技術委員長は、日本サッカー界の発展を総合的に考えなければならない協会の技術委員長だ。代表チーム付きではない。西野監督が経験値重視に走るなら、それに待ったを掛けるべき立場にある。もちろんそれは、田嶋幸三サッカー協会会長にもあてはまる。

 協会首脳3人が、揃って目先の結果に走ってしまった格好だ。

 井手口陽介、三竿健斗、浅野拓磨の3人を落選させた西野監督は、発表の席上で日本の若手選手に対し、「経験値の高い選手を抜いて欲しい」と注文をつけている。確かに、日本の若手は育っていない。いい選手の絶対数はひと頃に比べ大幅に減少した。

 だが、これは若手選手個人の責任というより、協会が構築した育成システムに起因する。それが機能していないことを意味する。いい指導者なしに、いい選手は生まれない――とは、世界のサッカーの常識だ。