森保ジャパンの屈辱的な大敗は、ウズベキとの実力差だけが原因なのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 ウズベキスタンの選手たちは、荒れたピッチにもかかわらず、速いパスを正確につなぎ、中盤でのボールの奪い合いでは、力強く体を寄せてきた。あらゆる意味でのスピード、パワーにおいて、ウズベキスタンは日本を上回っていた。

 なかでも、とりわけ彼我(ひが)の差を突きつけられたのは、相手の状況や試合の流れを見極める能力である。森保監督が語る。

「(ウズベキスタンは)最初はあまりプレッシャーをかけてこようとしていなかったと思うが、我々のビルドアップに対して少しプレッシャーをかけて、そこで日本が少し慌てたなと思ったその流れからは、プレッシャーをかけ続けてきた。ウズベキスタンの選手たちは、試合の流れをつかむ能力を持っている。そこは見習わなければいけない」

 CKの流れから許した先制点はともかく、その後のわずか10分足らずの間に失った2、3点目は、いずれも日本がマイボールを自陣で奪われてのものだった。そもそも実力差があるうえに、試合運びの巧拙(こうせつ)にまで差があっては、大敗もやむを得なかった。

 3バックの中央を任されたDFの立田悠悟(清水エスパルス)曰く、「相手の速さや強さが上回って、自分たちが後手に回ってしまったのが一番の敗因。戦術どうこうというよりは、個人のところで負けたかなと思う」。また、DF古賀太陽(柏レイソル)曰く、「球際のところや、一つひとつのスピードが自分たちより相手のほうが上だった。すべてに関して上回られたことは悔しいし、情けないという気持ちが強い」。

 負けた選手たちが強がりひとつ言うことのできない、まさにぐうの音も出ない完敗だった。

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