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福田正博が日韓戦後に覚えた違和感。
ハリルと協会に温度差はないか

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

【福田正博 フォーメーション進化論】

 ハリルジャパンにとって2017年の締めくくりとなったE-1サッカー選手権は、北朝鮮に1-0、中国に2-1と勝利したものの、韓国に1-4で敗れて優勝を逃す結果となった。日本代表が国際大会で韓国にこれほどの大敗を喫したのは、1978年にマレーシアで行なわれたムルデカ大会で、0-4で負けて以来39年ぶりのことだ。

韓国に大敗し、浮かない表情のハリルホジッチ監督韓国に大敗し、浮かない表情のハリルホジッチ監督 点差がついたためショックは大きかったが、勝つこともあれば負けることもあるのが勝負の世界。しかし、試合後に日本サッカー協会の田嶋幸三会長が報道陣に発した、「選手は日本代表に誇りを持っているのか」「がむしゃらに点を取りにいこうという部分がなかった」「収穫という意味ではダメな選手が多かった」といったコメントには、少し違和感を覚えた。

 田嶋会長が憤る気持ちも理解できなくはない。しかし、その怒りが選手ではなく監督に向かってもよかったのではないだろうか。

 ハリルホジッチ監督は試合後の会見で次のように語っている。

「試合前から韓国が日本より強いことはわかっていた。韓国とのレベルに差があったし、韓国が勝利に値していた。選手たちをテストするのも目的だった。この大会を戦った日本代表はA代表ではなかった。B代表なのかC代表なのかはわからないが、中村憲剛を除けば現時点で招集できるベストメンバーを呼んだ。ただ、たくさんのケガ人もいるなかで、2勝できたことは素晴らしい結果だと思う」

 試合前から相手のほうが強いとわかっていたなら、戦術やフォーメーションなど、さまざまな工夫を凝らして勝利を目指すのが監督の務めだ。しかし、試合後の会見のコメントから、ハリルホジッチ監督にとって今回の日韓戦は、11月のブラジルやベルギーとの親善試合と同じように、ロシアW杯を見据えたただのテストで、勝敗にはあまりこだわっていなかったことがうかがえる。

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