日テレ・ベレーザ優勝。
ノジマステラの「らしさ」を潰した阪口夢穂

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 女子サッカーの今シーズン最後のタイトルである皇后杯。なでしこリーグ覇者の日テレ・ベレーザがノジマステラ神奈川相模原(同8位)を3-0で下し、3大会ぶりの王座奪還でリーグ戦に続き2冠を達成した。

今季リーグ優勝と合わせて2冠を達成した日テレ・ベレーザ今季リーグ優勝と合わせて2冠を達成した日テレ・ベレーザ 前半に見せたベレーザの巧者ぶりは圧巻だった。実力差からしても、まず先手を取りたいノジマがエンジンをかける前にねじ伏せた。開始3分、センターバックの岩清水梓からのロングフィードに合わせて、うまく裏を取った田中美南がボールを左足でピタリとコントロールすると、流れるように右足でループシュートを決めて先制。ノジマの出鼻をくじいた。

「"ベレーザはうまい"っていう前提から入りすぎた」とは、ノジマのアンカーに入った高木ひかり。全体的に出足が遅れていたノジマの守備陣は、田中の先制ゴールで持ち前のアグレッシブさを見失ってしまう。

 逆に、今大会も得点リーダーである田中を徹底して潰しにかかるノジマを見て機会をうかがっていたのが、ベレーザの攻撃を組み立てていた阪口夢穂(みずほ)だった。

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