東京五輪代表に残るのは誰か。森保ジャパンのサバイバルが始まった (5ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 ただし、厳しいことを言えば、それでも勝利をもぎ取らなければ、結果を残して指揮官に強烈なインパクトを与えなければ、東京五輪のメンバー18人をめぐるサバイバルには生き残れない。

 2012年ロンドン五輪に出場した関塚ジャパンは、初陣となった2010年アジア大会がJリーグ開催期間中に行なわれたため、ベストメンバーを招集できなかった。Jリーグで出場機会に恵まれていない選手と大学生を中心に臨んだが、金メダルを獲得。この大会で指揮官の信頼を得た山口蛍、山村和也(ともに現セレッソ大阪)、鈴木大輔(現タラゴナ)、東慶悟、永井謙佑(ともに現FC東京)らは中心メンバーになっていった。

 前述したように、手倉森ジャパンの初陣に臨んだのは指揮官が選んだメンバーではなかったが、この大会で指揮官から高く評価された中島翔哉(現ポルティモネンセ)、浅野拓磨(現シュツットガルト)、鈴木武蔵(現松本山雅)、原川力(現サガン鳥栖)、植田直通(現鹿島アントラーズ)、矢島慎也(現浦和レッズ)らは、その後も主力選手として重用された。

 その点で言えば、このタイ戦で爪痕を残したのは、神谷だけだったと言える。

 現時点で、1月のU−23アジア選手権にエントリーされるU−20ワールドカップ出場組にアドバンテージがあるのは確かだろう。だが、庄司が「自分次第だと思っている」と言うように、結果を残せば序列はいくらでも覆すことができる。

 サバイバルという点では痛恨の敗戦だったが、11日には北朝鮮戦があり、決勝進出の可能性も十分あり得る。挽回のチャンスは残されている。

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