「無風」とナメられたH組で日本がポーランドに番狂わせを起こすには (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 だが前回の2014年W杯。南米勢の5チームはすべてベスト16入りを果たす。南米勢に勢いがあることがそこで再確認された。決勝トーナメントでは、南米勢同士が早々に激突。ホセ・ペケルマン率いるコロンビアは準々決勝でブラジルと戦い、1-2で涙を飲んだ。しかし、そのいい流れは、いまなお健在だ。アルゼンチンが今回の予選で大苦戦した理由もそこにある。その他が強くなっているのだ。

 かつては古典的な匂いのするコテコテの南米スタイルのチームとして知られたコロンビア。それがいまや、欧州の匂いをふんだんに漂わせる今日的サッカーに大変身を遂げた。強いのに好チーム。番狂わせを食らう要素は限りなく低い。

 となると、狙い目はポーランド。そう言いたくなるところだが、こちらもかつてのポーランドとは違う。いま、欧州で最も勢いのあるチームと言えば、ベルギーを連想するが、ポーランドも負けてはいない。最新のFIFAランキングは7位。今回の抽選では堂々、第1ポットに振り分けられた実力国だ。タレントの数でこそベルギーに劣るが、チーム力ではむしろ上。こちらも番狂わせを食いにくい好チームなのだ。

 欧州予選を圧倒的な力で通過。昨年開催されたユーロ2016では、優勝したポルトガルに準々決勝で延長PK負けしたが、内容ではむしろ優勝国を上回っていた。その惜しくも敗れ去る姿には、大きな可能性を感じたものだ。「ロシアW杯、ポーランドはやりそうだ」。試合が終わるや、観戦取材ノートにそう書き記したものだが、まさかそのとき、2年後のW杯で日本と同じグループリーグを戦うことになろうとは想像だにしなかった。

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