北澤豪が語る「あの事件」へのプロセス。
代表は暗く、沈んでいた... (4ページ目)
「でも(選手たちからは)ほとんど反応がなかった。それに、そういうことをすると、井原さんから『おい、キー(北澤)やめろよ』って戒(いさ)められた。それでも、(井原に)『今から戦っていかないといけないんじゃないですか』って言ったんだけど、俺ひとりvsチームって感じで、みんなで盛り上がっていこう、という雰囲気にはならなかった」
迎えたUAE戦。国立競技場は超満員だった。
ホームのUAE戦から代表復帰を果たした北澤豪。photo by AFLO 北澤は攻撃的MFとしてスタメン出場した。システムは4-4-2で、攻撃時の中盤はひし形となり、北澤はトップ下の位置に動いた。名波浩からのパスをより多く引き出せるようにして、積極的に前線に飛び出し、攻撃の流れを作っていった。
守備のときは、中盤をボックス型に変更しブロックを作った。中盤のユニットを編成した選手の特徴を生かすため、北澤ら中盤の選手たちで考えて生み出したシステムだった。
しかし、試合は1-1のまま終了し、勝つことができなかった。
2位のUAEを追い抜くことができず、残り2試合の段階でグループ3位のまま。フランスW杯出場に黄ランプが激しく点滅した。
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