福岡のDF冨安健洋を一刻も早く代表へ。それが日本の未来を明るくする (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Sho Tamura/AFLO SPORT

 しかも、冨安が魅力的なのは188cmの長身でありながら、足もとの技術にも長けていること。それも、左右両足を遜色なく器用に扱い、長短のパスを正確に蹴ることができる。本来は右利きのようだが、初めて見たときには左利きの選手だと勘違いしたほどだ。

 U-20W杯でも彼のビルドアップの出来は、少なくとも従来の日本人センターバックの水準をものさしにすれば、高評価されてしかるべきものだった。それでも冨安が、自身の課題として守備のことより先に挙げたのが「ビルドアップ」。「大会を通じて、いいパスを出せなかった」と悔しがった。

 饒舌(じょうぜつ)に強気な言葉を口にするタイプではない。大きな体に似合わぬ細い声で話す物静かなDFは、センターバックとしてはどこか頼りなげでもある。だが、そんな印象にだまされてはいけない。

 底知れぬ可能性を秘めたセンターバックを、一刻も早くレベルの高い舞台に立たせてみたい。早ければ早いほど、その見返りも大きいはずである。

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