ハリルもわかっているはず。川崎F・大島僚太の代表復帰は必然である

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

W杯出場を決めた今、代表で試してほしい選手(3)
大島僚太(MF/川崎フロンターレ

 まるで猟犬のように全速力で襲いかかり、相手の足からボールが少しでも離れれば、「ガシッ」という音が聞こえてきそうな勢いで身体を割り込ませ、ボールを奪い取る――。

 こう書くと、ガンバ大阪のMF井手口陽介や、セレッソ大阪のMF山口蛍のプレーを描写しているようだが、こんなボール奪取を今、頻繁に見せているのが、川崎フロンターレが誇るプレーメーカー、大島僚太だ。

今や攻守において際立った活躍を見せている大島僚太今や攻守において際立った活躍を見せている大島僚太「僚太の守備は、凄いよ。どんどんよくなっているよね」

 新人の頃から見守ってきた中村憲剛も、後輩への称賛を惜しまない。さらに言えば、大島の成長による恩恵を大きく受けているひとりは、他でもない中村自身でもある。もうすぐ37歳になる昨季のJリーグMVPが、後ろ髪をひかれることなく、トップ下のプレーに専念できるのも、ボランチのポジションを安心して大島に任せることができるからなのだ。

「どんどんよくなっている」と中村が言うように、大島の守備力は今シーズンに入って突然、急激に伸びたわけではない。

 もともと爽やかな笑顔とは裏腹に、大島は"超"がつくほどの負けず嫌いである。

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