福岡のDF冨安健洋を一刻も早く代表へ。それが日本の未来を明るくする (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Sho Tamura/AFLO SPORT

 例えば、昨年のユーロ2016で決勝のピッチに立ったフランス代表のDFサミュエル・ウンティティは、1993年11月生まれの当時22歳。また、2010年W杯で優勝したスペイン代表のDFジェラール・ピケは、1987年2月生まれの当時23歳だった。

 あるいは、ドイツ代表のDFジェローム・ボアテング。2014年W杯の優勝メンバーである彼は、1988年9月生まれの当時25歳だったが、さかのぼること4年、初めてメジャートーナメントに出場した2010年W杯のときは(主に左サイドバックとしての出場だったが)、まだ21歳だったのだ。

 世界に目を向ければ、センターバックだからといって若い選手が出てきていないわけではない。起用を決断する監督にとっては、それなりに勇気が必要なことだろうが、長い目で見れば、若い選手に高いレベルでの経験を与えることはチームの強化にもつながる。ボアテングの例を見ても、21歳のときの抜擢があったからこそ、4年後に大きな成果が得られたと言ってもいいだろう。

 翻(ひるがえ)って、日本代表である。

 W杯最終予選も終盤になって、ようやくDF昌子源がセンターバックのポジションをつかんだが、その昌子でさえ1992年12月生まれの24歳。しかも最終予選終盤での台頭は、戦略的に育てられたというより、突然序列を上げた感が強く、昌子に続くセンターバックは誰か? と聞かれても、確固たる候補が見当たらないというのが現状だ。

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