U-20日本は「フィジカルの怪物」ベネズエラをどう攻略するのか (5ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 南米からイメージするほどテクニックにあふれたチームではなく、どちらかと言えば、フィジカル能力の高さが際立つあたりも、日本にとっては相性のいいタイプとは言い難い。しかも、グループリーグ最終戦から中2日の日本に対し、ベネズエラは中3日。試合日程もベネズエラの優位を後押ししている。

 つけ入るスキがあるとすれば、ムラッ気のある精神面だろうか。大勝したバヌアツ戦でも、試合終盤は全体が間延びして大味な攻撃になり、誰もが点を取りたい「オレが、オレが」のサッカーになっていた。3-0の段階で得たPKを、GKウイルカー・ファリネス(背番号1)に蹴らせてしまうあたりも、彼らのなかに起こりがちな精神的な緩みを感じさせる。

 日本としては、拮抗した展開のまま、相手に焦りが生まれる終盤勝負に持ち込みたいところ。イタリア戦のようにサイドのスペースをつかれ、試合序盤に失点するようなら勝機はあるまい。

 なかなかに厳しい相手との対戦は、しかし、ひとつでも多く、世界レベルの真剣勝負の機会を得たい「東京五輪世代」にとっては、またとないチャンスでもある。グループリーグのウルグアイ、イタリアに続き、厳しい組み合わせではあるが、考えようによっては充実の大会を過ごしているとも言える。

 フィジカルモンスターを擁する強敵に対し、若き精鋭たちがどんな戦いぶりを見せてくれるのか。日本の次なる挑戦となるベネズエラ戦は、5月30日。現地時間、日本時間ともに17時キックオフである。

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