U-20日本は「2種類の2トップ」と「セットプレー」で世界に挑む (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

「ちょっと慌てた部分があった」と坂井が振り返ったように、ホンジュラスのプレッシャーを受けて横パス、バックパスで逃げるシーンが何度かあった。ボールを握っているようで、実は持たされている形。「ただの横パスが多くて、縦パスを入れるための横パスではなかった」と坂井も認めるしかなかった。

 そんななかで、日本は逆転されてしまう。

 18分の失点は、日本のCKをクリアされ、そのまま一気に運ばれて喫したもの。スピードに乗ったMFホルヘ・アルバレスに見舞ったタックルがかわされた初瀬は「僕がカットできればよかったんですが......」と悔やんだが、世界の戦いにおいてカウンターへの対応を誤れば即、致命傷となる典型例。リスク管理の甘さを突きつけられたシーンだった。

 32分の失点は、中盤でのミスから相手に奪われ、スルーパスによって中央を破られたもの。ペナルティエリア近くのミスは見逃してもらえないという、これも世界との戦いにおける典型的な失点パターンだ。指揮官も「もう一回、詰めてやっていかないといけない」と修正を誓った。

 1-2で折り返した日本が反撃に出るきっかけとなったのは、市丸の投入だった。

 後半に入ってホンジュラスの運動量が落ちたこともあったが、原に代わってボランチに入った市丸と坂井が攻撃で縦の関係を築いて相手のマークから逃れ、代わるがわる縦パスを入れていく。

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