初召集でも大きな存在感。長谷川唯の2ゴールで高倉ジャパンが初勝利 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・撮影 text&photo by Hayakusa Noriko

 宇津木からパスを受けた長谷川が反転して放ったシュートは、前に出ていたGKの指先をかすめてゴールネットに吸い込まれた。その3分後には、宇津木のミドルシュートのこぼれ球を横山がゴールライン際からマイナスへ。待ち受けていた長谷川がしっかりと決めた。初戦では、長谷川が横山のゴールをアシストしたが、ここは横山がお膳立て。今後、さらなるコンビネーションを期待できる2人のプレーだった。

 しかし、後半になるとアイスランドが攻勢に出る。日本は、宇津木に代えて中里優が入り、ボランチのペアが変わったところに、56分には北川ひかる(浦和レッズL)の負傷退場も重なってしまう。距離感の立て直しが必要な状況になり、徐々に劣勢に追い込まれた。

 60分、熊谷のファウルでペナルティアークからのFKを与えてしまうが、ここは千葉がブロックして最大のピンチを切り抜けた。残り17分には、ケガからの復帰戦となる岩渕真奈(バイエルン)と中島依美(INAC神戸)が投入された。岩渕は持ち前のドリブルでゴール前に切り込もうとするも、アイスランドDF陣にすぐさま取り囲まれてしまう。それでも終了間際には強引にシュートを放ち、自らそのこぼれ球に詰めたが、最後までゴールを奪うことはできなかった。

 プレッシングにいくかどうかの判断が適切だったこの試合の前半で、セカンドボールを支配することに成功した日本は、かなり余裕を持って攻撃を組み立てることができた。

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