初召集でも大きな存在感。
長谷川唯の2ゴールで高倉ジャパンが初勝利 (4ページ目)
「あれは個人の戦術で獲ったゴール」と指揮官にも絶賛された長谷川の初ゴールは、常に練習しているパターンだ。「あのタイミングなら前に出ているはず」と長谷川が言うように、身に染みついているタイミングだからこそ、GKの位置は見ていなかった。これもまた、中央エリアまで入り込む意識があったからこそ生まれたものだ。
この動きは長谷川の特長であり、昨年のFIFA U-20女子ワールドカップでも、この機動性から幾度も好機が生まれていた。プレースタイル自体を変えることなく、なでしこデビューでここまでフィットしたのは、この世代では彼女だけだろう。「本当に自由にやらせてもらっていると思います」と言うが、"自由"は意外に縛りにもなるもの。言葉通りに"自由"にプレーできる選手はそうはいない。
それを可能にしているのは、長谷川が的確な判断力、巧みなボールコントロール、プレスをかけられる前の動き出しの早さを兼ね備えているからだ。
また、多彩な攻撃に目がいきがちだが、守備にも注目してもらいたい。自らが出る攻撃の際のリスクを自ら補うことも当然のようにやってのける。自分がピンチを招いたのなら、全速力でのプレスは当たり前。156cmという身長を感じさせない、スケールの大きなサッカーをする選手だ。
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