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「海外組優先」を公言したハリルジャパンで、
未来に希望は持てるのか (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 今回のメンバー発表でハリルジャパンの未来に希望を持てなくなった最大の理由は、そこにある。消去法的メンバー選考について公言し、さらにその理由について強い口調で語ったことによって、自ら今後のチーム力アップが期待できないことを示唆してしまったからだ。

 指揮官が名前を挙げた主力の多くは、前回(2014年ブラジル大会)、前々回(2010年南アフリカ大会)のワールドカップメンバーだ。特に2010年のメンバーたちは、もはや年齢的にも伸びしろを期待するのは難しく、現状維持が精一杯と見るのが妥当。むしろ、右肩下がりの曲線を描きながら2018年ロシア大会を迎える可能性が高いという面々である。

 つまり、このメンバーに固執した時点で、今回のアジア最終予選の最中にチーム力がアップする可能性は極めて低いと判断せざるを得なくなる。これが現在成長曲線を描くUAEに敗れた理由のひとつだとすれば、さらに危機感は増す。

 翻(ひるがえ)って、ヨーロッパや南米を筆頭とする強豪国のメンバー編成のサイクルを見ると、1、2年もすれば、少なくともメンバーの2、3割が新陳代謝していることがわかる。たとえば2014年ワールドカップ王者のドイツ代表にしても、フィリップ・ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガー、ミロスラフ・クローゼといった中心選手たちが代表を引退したこともあり、チャンピオンチームでありながら世代交代が進行中。それは、ほぼ同じメンバーで黄金時代を作ったスペイン代表も同じで、現在はロペテギ新体制となって積極的に新戦力を起用。予選を戦いながら新しいチーム作りを進めている。

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