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「海外組優先」を公言したハリルジャパンで、
未来に希望は持てるのか (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 これらハリルホジッチ監督の発言は、確かに正論のようにも聞こえる。しかしそこには、現代表における重大な問題点が潜んでいることを、同時に考えなくてはいけない。

 つまり、このハリルホジッチ監督の発想でいくと、チームの中心となっている海外組からポジションを奪うためには、まず彼らと同じステージに立っているかどうかが最低条件になる。そしてそのためには、ある一定以上のランクにあるヨーロッパのクラブに移籍を果たし、そこでレギュラーを獲得する必要がある、ということになる。そこでようやく、ハリルホジッチ監督の中でプレーヤーとしてのクオリティを含めた比較がなされる、というわけだ。

 それを考えると、もはやアジア最終予選の期間中に、新戦力が主力を脅かすことは物理的にも限りなく不可能になる。現在の主軸と同じステージに立つためには、最速でも2017年1月の冬のマーケットで欧州クラブへの移籍を実現させなければならず、しかもその後には、シーズン途中の加入でレギュラーポジションを獲得するという高いハードルをクリアしなくてはいけない。

 アジア最終予選は、来年9月には全日程を終了する。指揮官のお眼鏡にかなう新戦力が台頭するには、あまりにも時間がない。

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