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「海外組優先」を公言したハリルジャパンで、
未来に希望は持てるのか (5ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 ハリルホジッチ監督の第2の故郷とも言えるフランスもそうだ。2012年から指揮を執るディディエ・デシャン監督はメンバー招集のたびに新しい戦力をテストし、長期政権の中でもなだらかなレギュラーメンバーの入れ替えを継続。これまでの約4年間、マンネリ化とチーム力の停滞回避に成功している。

 これらの強豪国に共通しているのは、必ずしも毎回ベストメンバーを招集しているわけではないという点。常にチームの伸びしろを意識し、まだポジションを獲得できるかわからないような未知数の新戦力も、意識的にメンバーに加えていることにある。

 もちろんハリルホジッチ監督の発言からすると、日本には強豪国と同じような新戦力の突き上げが存在しない、ということになるが、代表監督はそれも含めたマネジメント能力も問われる職業だ。そもそも格下相手のアジア3次予選や親善試合など、新戦力のテストの場として有効に使えたはずの試合でも、固定メンバーでチーム作りを進めていたのはハリルホジッチ本人だ。どうしても自業自得の印象は拭えない。

 ハリルホジッチ監督就任後の2015年3月19日、初めて発表されたこの時の招集リストに名を連ねていなかったのは、今回の招集メンバーでは、丸山祐市、植田直通、柏木陽介、永木亮太、大島僚太、浅野拓磨の6人。初招集の永木を含め、この中で以前から招集され続けているのはザッケローニ時代のメンバーでもある柏木と、これまでほとんど出場機会のない丸山のみ。約1年半の期間で行なったチーム作りとしては、あまりにも寂しい話だ。

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