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「ジョーカー」は誰か。サプライズなきサッカー五輪代表から考える (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 最終予選では浅野とFW豊川雄太(ファジアーノ岡山)という2枚の切り札を備え、彼らをひとりずつ投入するたびに、試合の流れを引き寄せることに成功した。

 そこで、今回の選考においても、A代表にも選出されている浅野は当確だとして、もうひとりのスーパーサブに誰が選ばれるのかに注目していた。

 18人の内訳として、GKは2人、両サイドバックに3人、2センターバックに3人、2ボランチに3人、両サイドハーフに3人、2トップに3人を選んでいくと17人。残るひと枠が焦点だった。そこに、攻撃面で"エクストラ"の能力を持つジョーカー――豊川か、MF野津田岳人(アルビレックス新潟)か、FW伊東純也(柏レイソル)のうちの誰かが選ばれるのではないかと予想していたが、指揮官はそうではなく、ボランチを4人に増やした。

 列強を打ち負かすために「後ろを万全にしておきたかった」という見立ては、間違ってはいない。だが、アジア最終予選以上に押し込まれることが予想されるからこそ、後半に入って勝機をたぐり寄せるためのカードを最低でも2枚は懐に忍ばせておきたい。

 はたして、浅野とともにスーパーサブとして起用されることになるのは誰か――。

 興梠と中島を2トップとして先発させて久保を、あるいは矢島慎也と中島を両サイドハーフとして先発させて南野拓実を、ジョーカーとして起用するのも面白い。

 スーパーサブの人選と起用法に、リオ五輪を勝ち抜くカギが潜んでいるのではないか。

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