2016.06.05

「渦」をつくった小林、香川、清武の2列目が、ハリルJ完勝の要因

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 実にスコアは、7-2。

 久しぶりに「強い日本代表」を見た。キリンカップのブルガリア戦は、日本の完勝だった。

 単にスコアだけの話ではない。

 守備では高い位置からのプレスで相手の攻撃を抑え、攻撃では互いが連動してポジションを動かし、きれいに崩し切ったゴールをいくつも生んだ。"日本らしい"という意味においても、非常に質の高い内容の試合だった。

「素晴らしい試合。このようなハイレベル(なプレー)が見られるのは稀(まれ)なことだ」

 試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がそう語ったのも当然だ。特に前半は、これだけ見事な試合内容の日本代表を見るのはいつ以来だろうと、頭の中で記憶を辿(たど)らなければいけないほどの出来栄えだった。

 なぜ日本代表は、これほどの試合ができたのか。その要因を挙げるとすれば、キーワードはふたつ。「2列目の機動力」と「ロングボール」である。

 この試合、本田圭佑をケガで欠いた日本代表は、4-2-3-1の2列目に右から小林悠、香川真司、清武弘嗣を並べた。いずれもスピードや敏捷性といった点に優れた選手たちである。その結果、日本の前線には攻守両面において、「動き」が生まれた。

 彼らは常に足を止めず、スペースを作り、それを生かし合うことで動きの"渦"を作り出した。そこで生まれた連動の渦は、1トップの岡崎慎司、2ボランチの長谷部誠、柏木陽介、さらには左右サイドバックの長友佑都、酒井宏樹を巻き込み、どんどんと大きくなっていった。