U-23代表「ハリルさんもやりたいサッカー」で五輪王者メキシコに勝利 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 奪ってから速く、それも3人目までが絡んだ形のゴールは、なかなかこのチームでは見られなかったもの。チームが世界仕様へと変化しつつある中で、新たな狙いにもなりそうだ。遠藤も言う。

「ああいうところでボールを奪えれば、間違いなくチャンスになると思うし、そういう役割を自分は求められていると思う。奪って縦につけて速攻で点をとるというのは自分たちの形になりつつある。ゴールに向かっていくプレーというのを第一に選択してやっていくというのは、A代表でも求められてやっていること。自分たちのスタイルとしても確立しつつあるので、クオリティを高めて、点を取るためにもっと続けていければと思う」

 引いて待ち受けながらワンチャンスを狙うのではなく、自らのアクションで得点を奪いにいく。世界へ向けて、自分たちのやりたいことが明確になった1点でもあった。

 五輪アジア予選(AFC U-23選手権)は優勝こそしたものの、消化不良感は否めなかった。内容ではなく結果が重要と割り切らざるを得ない大会だった。だが1敗が命取りになる予選が終わった今、チームは新たな段階に入ろうとしている。そんな実感を得られた一戦だった。

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