崖っぷち上等。なでしこは、チャレンジャーに戻って強くなる

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 リオデジャネイロオリンピックのアジア最終予選が29日から大阪で始まった。アジアに与えられた2枚の切符を6か国が争う過酷な戦い。日本はオーストラリアとの初戦に1-3で敗れ、厳しい黒星スタートとなった。

オーストラリアに完敗したことで、残り4戦は負けられない戦いが続く。オーストラリアに完敗したことで、残り4戦は負けられない戦いが続く。「この4週間、日本戦を想定してワールドカップの試合よりもテンポよく試合運びができるように準備してきた」と、オーストラリアのアレン・スタジッチ監督は誇らしげに語った。日本に対して万全の対策を練り、それが見事にハマった。1-3というスコアがすべてを表していた。

 立ち上がりの日本は、硬さはあるものの決して悪い動きではなかった。手始めに右サイドから川澄奈穂美(INAC神戸)が小気味良く中央へクロスボールを入れていく。16分には、大儀見優季(フランクフルト)から中島依美(INAC神戸)へとつなぎ、そこから逆の右サイドへ大きく展開すると、走り込んだ川澄がシュートを放つ。この1カ月取り組んできたサイドチェンジの形が出た。

 21分には阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)がトラップからミドルシュートを放つなど、そろそろゴールの匂いが漂ってきたその矢先のことだった。K・ゴリーが強引にシュートに持ち込む。ここは3人が反応してブロックするも、跳ね返りを再びゴリーがシュート。これもブロックするが、完全にDF陣がひきつけられた。3度目にボールを保持したゴリーが逆サイドへクロスボールを入れると、L・デバンナにヘッドで合わされ失点を喫してしまう。

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