なでしこリオ予選へ明るい兆し。中島依美が示す「5年目の開花」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 なでしこジャパンの生命線であるサイド攻撃だけでなく、自ら切り込み、ときにはフィニッシュ、FWをうまく使いながら決定機に関わり続ける。そこに強い意志を感じるが、決して余裕が出てきた訳ではないと彼女は言う。

「このメンバーでやれるのは今しかないと思うし、もっとやりたいって思うんです」

 ようやく周りの動きや意図が見えてきた。ここまでくれば、自分の選択に明確な意図を込められる。そうなれば、周りの選手がその意図を選択肢に組み入れてくれる。選手が新戦力の段階ではどうしても自分で受けて終わってしまうため、新戦力の選手ゾーンを介すと選択肢が狭まってしまう。ここで大いに戸惑い、中にはここを越えられず消えていく選手も多い。中島は5年越しでようやくその域から抜け出した。

「2列目からの飛び出しはDFもマークにつきにくいからイヤだと思うので、そこは狙っていきたいと思っています。宮間(あや)さんや、阪口(夢穂)さんからのいいボールで自分を使ってもらうだけじゃなく、自分のパスで周りを生かせるようになりたいです!」

 キャンプ終了後の発表で最終候補に残った中島は2日の休養を挟んで、22日から始まる大阪での最終合宿に臨む。ここで大儀見、岩渕真奈(バイエルン)らヨーロッパ組が合流し、最終メンバー23名(うち3名はGK)に絞られることになる。最終メンバーに残ることはもちろん、なでしこの感覚を掴み始めた今、主力としてピッチに立つことができるか、中島にとってもこの最終予選は正念場になりそうだ。

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