なでしこリオ予選へ明るい兆し。中島依美が示す「5年目の開花」

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 2月29日から始まるリオデジャネイロオリンピックアジア最終予選に向けて、なでしこジャパンが沖縄で2次キャンプを行なった。1月の石垣島キャンプでは大儀見優季(フランクフルト)や宇津木瑠美(モンペリエ)ら主力のヨーロッパ組も招集したが、今回は国内組25名の招集となった。

ここにきて、調子を上げてきた中島依美(INAC神戸)ここにきて、調子を上げてきた中島依美(INAC神戸) このキャンプ中、主力組で存在感を示したのが、石垣島キャンプから調子を上げてきている中島依美(INAC神戸)だ。2011年に初招集されてから、出たり入ったりと定位置を掴み切れずにきた中島も現在25歳。もう若手ではなく、中堅世代になった。

 キックの精度、シュート力など技術の高さはユース世代から群を抜いていたが、今最も彼女の特長となるのはエッジの効いたコース取りにあるように思う。ボールを持っていても、いなくても中島の動き出すコースには鋭さがある。その起点になっているのが絶妙なタイミングの外し方だ。実際、足が速い方ではない彼女の攻撃にスピード感があるのは、相手を絶妙なタイミングで外し、最短かつ最適なルートで的確な場所にボール、自分自身を運ぶことができるからだ。

 しかし、これまで緻密な計算の上に成り立ってきた、なでしこジャパンのコンビネーションやカバーリング、複数の選択肢の中での素早い判断......なでしこジャパンのサッカーに翻弄され、中島の持ち味はなかなか開花しなかった。いや、ムラがあったと言った方がいい。それが昨年あたりからその確率が上がりはじめ、1月の石垣島キャンプからは主力レベルにまで引き上げられた。

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