北朝鮮から勝ち点3。日本は「無様なサッカー」を自覚して戦った (4ページ目)
しかし、彼らはなりふり構わず1点を守り切った。「本音を言えば、もっとつないで日本らしいサッカーをしたい」という岩波も、「でも、割り切りは必要だと思う」と語る。
キャプテンのMF遠藤航は「しっかり守備をするというのは、監督がずっと求めてきたもの」と話し、こう続ける。
「ベストの内容ではなかったが、最低限失点しない展開にできた。次(の試合)は攻撃の面でもいい形でシュートまで持っていければと思う」
選手たちは自分たちが攻撃の形を作れていないことを認識していた。そこにもどかしさを感じてもいただろう。
だが、明らかに悪い流れのなかで、下手に色気を出してパスをつなごうとすれば、どこかで致命的なミスが出てカウンターから失点、などということが起きてもおかしくはなかった。
リードはわずかに1点。試合内容が決してよくないと自覚していた彼らは、割り切って“無様なサッカー”に徹し続けた。
その結果が貴重な勝ち点3である。遠藤が語る。
「後半のラスト15分から20分は、1-0で勝ち切ることを頭に入れてプレーしていた。押し込まれたときも焦りはなく、落ち着いて守ろうと(選手同士で)話していた。チームとして意思統一できていることが大事。こうして守れたことは自信になる」
手倉森監督も「手綱を引かないと(攻撃に出て打ち合う)大味なゲームをするような集団だったのが、こうしてしたたかなゲームができるようになった」と目を細める。
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