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正体不明の北朝鮮。サッカー五輪予選の日本は「したたかに勝つ」

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 昨年8月、中国・武漢で行なわれた東アジア選手権で連覇を狙った日本は、初戦の北朝鮮戦で先制ゴールを奪ってゲームを折り返したにもかかわらず、後半に入ってパワープレーに屈し、1-2の逆転負けを喫してしまった。

 その試合の1点目の場面で森重真人に軽々と競り勝ち、2点目のシーンで槙野智章の上を飛び、1得点1アシストをマークした身長190センチのストライカーこそ、U-23北朝鮮代表のエース――パク・ヒョンイルだった。

北朝鮮戦を前にリベンジを誓った南野拓実北朝鮮戦を前にリベンジを誓った南野拓実 リオ五輪アジア最終予選の組み合わせが決定し、日本の初戦の相手が北朝鮮になったとき、U-23日本代表チームの首脳陣はFWパク・ヒョンイルを"最警戒人物"としてマークした。ところが、AFC(アジアサッカー連盟)が7日に発表したアジア最終予選の登録メンバーから、その長身ストライカーが漏れていた。

 ケガなのか、クラブの都合なのか、それとも監督の構想から外れたのか......。

 たしかな情報は伝わってこないが、これが日本にとってプラス材料かというと、そうではない。パク・ヒョンイルが出てくれば、日本の誇るストロングヘッダー・植田直通(鹿島)を彼のマークに当て、パワープレー対策を入念に施せばよかった。

 だが、パク・ヒョンイル不在となった今、北朝鮮がどのような戦いを仕掛けてくるのか、その像がはっきりとした線で結べない。メンバーリストを見れば身長170センチ台のアタッカーも多く、むしろ地上戦で速攻を仕掛けてくる可能性もあるのだ。

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