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タックルをかます。フロンターレ大島僚太が語る五輪予選への決意

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

リオ五輪を目指す日の丸戦士(3)

 その言葉は、リオ五輪アジア最終予選に向けた決意表明であり、2年弱にわたる葛藤から解放されたことの証明でもあった。

「最初のプレーで、スライディングでもかましてやろうと思っているんです」

日の丸戦士(1)、日の丸戦士(2)>>>

U-22代表の中盤で攻撃の起点となっている大島僚太U-22代表の中盤で攻撃の起点となっている大島僚太 これまでにも、テクニカルで小柄な彼が「ヘディングで競り負けるのも悔しい」と口にするのを聞いたことがあるし、クラブの大先輩について「やっぱり(中村)憲剛さんはすごいです」と言いながら、「憲剛さんにも負けたくないんです」と言うのを耳にしたこともある。

 普段はおっとりしているが、内には熱いものを秘めた選手――。そう理解していたつもりだったが、それでも"パスサッカーの申し子"のような彼がファーストプレーで身体を張るという決意を固め、それを口にしたことに驚かされた。

 ボールを保持して主導権を握り、相手を攻略していく川崎フロンターレにおいて、大島僚太は中村憲剛と並んで欠かせぬ中盤の軸である。技術に対してシビアな目を持つ風間八宏監督からも高く評価され、大きな期待を寄せられている。手倉森誠監督率いるU-22日本代表においても絶対的なレギュラーで、ボランチでコンビを組む遠藤航(湘南ベルマーレ)とともに、「チームの2枚看板」だと言っていい。

 もっとも、川崎で放つほどの存在感をU-22日本代表でも放ってきたわけではない。チームとして大事にすべきことが川崎とU-22日本代表とでは異なっていて、そのギャップにこれまでの大島は悩んできたようなところがあった。

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