カンボジア戦直前に思う。日本は今もカザフスタンに勝てるのか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 先日行なわれたワールドカップ2次予選のシンガポール戦。3-0で勝利した日本は、緩急の揺さぶりを利用して相手を攻め立て、いろいろな形(クロス、スルーパス、ミドルシュートなど)でシュートチャンスを作り出した。これまで単調になりがちだった攻撃に、いい兆しが見えた試合だった。

 とはいえ、「相手が相手」だったという点はやはり見過ごすことができない。シンガポールには、少しのプレッシャーをかけられただけでボール扱いがおぼつかなくなる選手がいたのは事実だ。

シンガポール戦で快勝した日本代表。柏木陽介、金崎夢生という新戦力が活躍したが......シンガポール戦で快勝した日本代表。柏木陽介、金崎夢生という新戦力が活躍したが...... そんなシンガポール戦を見ながら感じたのは、FIFAランキング100位以下の相手と試合を重ねていて日本は強くなるのか、ということ。もっと言ってしまえば、日本がアジアに属する限り、世界のトップ10に入ることなどありえないのではないか、ということだ。

「完全に引いて守りを固める相手を崩すのは、どんなに強いチームでも簡単なことではない」

 そうFW本田圭祐が話していたように、かなり実力の劣る相手との対戦であっても、それ相応の難しさはある。だが、日本が世界のトップレベルを本当に目指そうとするなら、それはほとんど意味のない試合だったと言わざるをえない。貴重な国際Aマッチデーのひとつが、そんな格下との試合のために消費されてしまうのだ。

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