シリア戦勝利でも目についた、ハリルジャパン「4つの欠陥」 (2ページ目)
1 両サイドバックの基本ポジションの低さ
現代サッカーでは、サイドバックが活躍した方が試合を優位に進めることができると言われる。そのためには、彼らがどれほど高い位置を維持することができるかがポイントになるが、長友佑都(左)、酒井高徳(右)の基本ポジションはかなり低かった。攻撃参加の回数も何度かに一度。しかも、それぞれの前で構える原口元気(左)、本田圭佑(右)と絡む機会がほとんどない単調な単独攻撃ばかり。古さを感じずにはいられなかった。
まるで駒野友一(左)、加地亮(右)時代に逆戻りしたかのような印象だ。非進歩的なサッカーの象徴と言っていい。相手がウイングに好選手を配した強豪ならやむを得ない気もするが、シリア相手にあの低さでは、先が思いやられる。
2 両センターバックの間隔の狭さ
サイドバックのポジションとともに大きな違和感を抱く点は、マイボール時における両センターバックの狭い間隔だ。槙野智章と吉田麻也の間隔は、たとえば欧州のそれなりのレベルに達したクラブのセンターバックのそれと比較して、半分程度に過ぎない。ではなぜセンターバックは時代とともに間隔を広げるようになったのか。一つは両サイドバックを押し上げるためだ。両センターバックの間隔が離れれば離れるほど、必然的に両サイドバックの位置は高くなる。これも、サイドバックが活躍した方が試合を優位に進めることができる、との考えに基づいている。
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